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緘黙症保護者会発足準備会

緘黙症保護者会発足準備会は、場面緘黙症・全緘黙症の保護者会の発足を目指して準備を行う役割を担います。


第1回「緘黙症保護者会発足準備会」会合を終えて

かんもくの会 ゆきんこ  (2008年3月10日・記)

2006年8月のかんもくの会発足時から現在では会員数は50名を超えています。
しかし、昨年2007年までは会員を直接、支援するための具体的な活動はなく、当事者・保護者・支援者を交えての親睦オフ会を開くに留まっていました。

今年2008年は、具体的な支援活動を開始することを目標に掲げております。
その一環として2月に「保護者会発足準備会」を会内に発足させたところ、急速に熱心な保護者の方々から掲示板への書き込みが自然と増えていきました。

しかし、書き込みだけでは子どもたちに対する諸々の悩みに即答することは困難です。
書き込みの多い保護者ほど、わが子の将来を案じ、具体的な解決策を模索しながら日々の取り組みの経過を報告する様子が掲示板を通して伝わってきました。

こうして、数名の保護者が一堂に会する機会を具体的に決めることになりました。
まずは、親交することを目的に参加希望者が集まれる日程や話したい内容を掲示板の書き込みで事前に調整しあい、3月9日に第一回目の「保護者会発足準備会」会合を行いました。

集まった会員の方々は、当事者・保護者も交えて総勢9名となりました。
当事者と保護者の区別なくお互いにニックネームで呼びかけあっていました。初対面とは思えないほどのチームワークで、待ち合わせ場所から会場へ徒歩で移動する段階で、既に打ち溶け合い和やかに話をしていました。

会場は、昨年からオフ会で利用していたファミリーレストランでした。飲食しながら徐々に初対面同士の緊張感もほぐれていったようでした。

自己紹介から始まりましたが、それぞれの会員さんはわが子のことでいつも胸がいっぱいです。
既に掲示板で諸々の心情を書き込んでくださっていたので、お互いに確かめ合ったり、掲示板では直接聞けないことを交換しあったりできたことに、安心感をもってくださいました。

また、保護者の悩みや共通の経験を話し合う中から、次のような課題も浮上しました。
  • 学校のなかで「おとなしい子」「家では話しているのだから問題ない」と軽視されがちであることをどのように教育・医療の専門家に対して認識を改めてもらう働きかけが必要である。

  • 複数の専門家を訪問する度、心ない言動に反って不信感が募る。

  • 実際に『場面緘黙児への支援』を我が子にどのように活用していいのかわからないので、学校と保護者をつなぐ立場の専門家(特別支援教育コーディネーター)を要請する必要がある。

  • わが子への「告知」することの是非、わが子が「かんもく」であることを関係者に開示することに対する不安

  • 親子で前向きに取り組んでいる最中に、クラスメイトからの誹謗・中傷に妨害される。

  • 思春期以降もかんもくが持続するケースについては、本人に相応しい職域開拓や、保護者として尽力できることは何か?

  • 生後間もない頃から、単なる「人見知り」とは思えない過敏な兆候があった。(どんな緘黙児もそういうわけではありません)
     例)他者と視線を合わせることに異常に恐怖感が強い
        緊張感が高すぎて、リラックスが困難である
       話せそうな相手や状況は自分でだいたいわかっている (一方的で攻撃的な雰囲気の人はダメ)
しかし、保護者が集まりわが子の心配事や「かんもく」としての共通項を合わせることで、解決策が見出せるかもしれないと感じました。

今回の保護者会では成人した当事者3名も含まれていて、保護者からは、当事者の方への質問も熱心にされていました。
かんもくの当事者であることを自己受容し、それを周囲に理解されているという安心感や信頼感を確信できた場合、当事者は自ら社会参加しよう、自己変革しようという心境になるには、どのような働きかけが必要なのかも考えさせられました。

「かんもくは治る可能性が高い。しかし、そのかんもく故の特性を周囲が軽視したり、放置したりすることによって、社会参加を阻まれ、本人の一生を台無しされてしまう恐ろしさも抱合している」

話し合いは、和気藹々と午後1時から日暮れの7時過ぎまで延々と続きました。
2月から3月にかけての掲示板でのやりとりを経て当日を迎えた経緯について、自分の周辺で理解者のいない孤立感や不安感を掲示板に書き込むことさえ、大変勇気が必要だったと述懐されました。
しかし、勇気を振り絞って一堂に会し、出会えたこと、話し合えたことの喜びと、ことばにできない思いを、涙あり、笑顔ありで分かち合えた印象に残る保護者会でした。
どうかこの出会いが、会員の皆様の笑顔につながっていきますように。

ところで、司会を務めた私の反省ですが、話したい人は大いに話して発散してもらえるのですが、一方で話すことが苦手な人にも、話すことを楽しんでもらう配慮が足りませんでした。
今回初めてだったのですが、参加者一人一人のご要望に適う司会進行を精進できることが課題です。



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