かんもくの会
行動療法学会年次大会における緘黙症シンポジウムに対するアンケートから




2007年12月2日の日本行動療法学会第33回大会における『緘黙症シンポジウム』でいただいたアンケートの回答のうち、ホームページへの掲載をご承諾いただいた方々のご感想・ご意見をすべて掲載させていただきます。(かんもくの会HPのトップページはこちら



1. 男性 大学院生

行動療法という観点からの緘黙症への取り組む姿勢について理解が深まりました。今回のシンポジウムを機に、緘黙症治療に対する行動療法、認知行動療法的アプローチの方法について学び、実践に生かしていきたいと思います。



2. 女性 大学院生

私は現在、某所において緘黙症の高校生の勉強を教えています。
彼と関わって、まだまだ日が浅いのですが、どのように接すれば良いのか悩むことが多々あります。
本日、緘黙症に関わって、また実際にご経験された方のお話をうかがうことが出来、初めて彼や彼のご家族の苦しみに一歩近づけたような気がしました。
というのも、私はこれまで、浅薄な教科書的な知識から、「緘黙症は自然発生的なものだから、気長に発話を待つものだ」と勝手に認識していたのです。
だから、これまで彼と関わる際は、意思表示カードを使ったり、目を使った意思表示の方法を考え、「いかに上手くコミュニケーションをとるか」ばかりに焦点を当てていました。
つまり、彼が私や周りの人に関わる時、どれほど苦しみ葛藤していたかということに、ほとんど気づいていなかったのです。
しかし、本日のシンポジウムに参加し、自分がまず認識を改めるべきなのだと痛感しました。
これからは緘黙症の子は自分の症状に安住しているのではなく、内面では話そうとしているのだということを理解しつつ、彼と関わっていこうと思います。
ありがとうございました。



3. 女性 大学生

場面緘黙に関する知識の普及はもちろん「こんな思いをしているのは自分だけじゃない。『一人じゃない』と実感することが重要だと思いました。SHG(Self Help Group)などはされていますでしょうか。
学校で、カウンセラーまたは先生が緘黙症の本人ではなく、その他のクラスメイトに対して心理教育や関与の仕方のアドバイスをしてはいかがでしょうか。「気長に継続的に話しかけることが大切など」


4. 女性 大学院生

実際に緘黙を経験された方のお話から話さない中でも「話したいけどできない」と考えていたことが分かり参考になりました。
しかし、私が一番ききたいポイントは、緘黙児に対して行動療法的にどのようなアプローチをすればいいのか、についてのヒントを得たい、ということでした。
私は今実習で場面緘黙児を担当しており、アプローチ方法を勉強したかったのです。
もうすでに、行動療法家が緘黙児を治療しているケースは日本においてもあると思います。
そのようなケースを持ち寄って検討するような企画を立てていただきたいと思いました。
よろしくお願いします。


5. 男性 大学教員

家では問題が表れ(気づかれ)にくいこと、学校では「大人しいよい生徒」と受けとられることが多いので早期発見及び緘黙症に関する知識の普及のためのシステム、方法論を整備していくことが必要であると思います。(治療方法の開発、普及以外にという意味で。)


6. 男性 大学教員

十数年前に、児童精神科臨床の勉強を始めた時、「緘黙症の治療は難しい」と言われました。確かにテキストもなかったし、周囲に治療をしている人もいませんでした。
外来には時々、相談に来られるのですが、話を聞くこと、遊戯療法の様なことをすることくらいしかできませんでした。
「発達障害」に注目がなされるようになり、成書や報道から対応法も少しは判ってくるようになりましたが、「緘黙症」についても情報発信がふえていくことが前進につながるのではないかと考えています。


7. 男性 病院心理士

私は心理士として、場面緘黙のお子さんに関わっています。
このような緘黙を扱ったシンポジウムは少ないので大変ありがたかったです。


8. 女性 大学院生

治療の必要性を痛感しました。特殊教育学会でのシンポジウムに引き続き参加しました。

9. 男性 行動分析士

今まできいたことがないトピックで出会ったこともないですが、自分が興味を別にしても、ニーズが大きいこともあるので、文献等読んで勉強していこうと思いました。
対応のための研修会等があれば参加したく思います。
ありがとうございます。


10. 男性

当事者の話が聞けて、本当に苦しいということが伝わりました。


11. 男性 スクールカウンセラー

すばらしいシンポジウムを開いて頂きありがとうございました。


12. 女性 心理相談員

緘黙児のケースを持っている心理士の一人として、緘黙経験者のお話を聞けたのは非常に貴重なことでした。


13. 女性 保護者

福岡からの一般参加です。転勤族です。
中1の息子が小5より場面緘黙症です。私もこの言葉は昨年くらいに知りました。(小4くらいまでは普通に話していました。)
「かんもくの会」を偶然インターネットで知り、今日このシンポジウムを聴きに来ました。
現在、学校の担任の先生、メンタルクリニック、と連絡を密にし、対応していますが、何か少しでも理解できることがあればと参加しました。
行動療法については、仕事(管理栄養士)で、来年度から始まる特定健診保健指導の研修でも足立先生が来られ、とても効果ののあるものと思います。
ぜひ、研究を積極的に進めていただきたいと思います。


14. 男性 保護者

今、緘黙と思っております娘をもつ父親です。
妻がかんもくの会のHPに出会い本日、シンポジウムに出席しました。
人前ではしゃべれない娘(家族間では自然にしゃべります)については、成長と共に自覚、自信がつき、解決するのだろうと思っていましたが、中学3年生に娘はなっています。
今でも高校に入れば、何か自信がつけば、簡単に解決するのではないかと、安易に考えてしまっている私の責任もあったのかもしれません。
(学校では友人にもめぐまれ、友人としゃべれないが、おとなしい子としていれば、特に不満なことがないので。)
しかし、本人(娘)の心の内を考えると友人といるが、自分のいけんをしゃべれないことは、本人にとって苦しいことを理解してやることが大切だと思います。
「カウンセリングを受ければいい」と聞きますが、親にとっては、「緘黙です」と言われ、改善(他人と自然にかかわれる)ことが、どこで、だれに、アドバイスを求めればいいのでしょうか?
(本日の資料のかんもくの会のアンケートで改善効果なしが多かったのが気がかりです)
娘の性格から考えるとカウンセリング→改善なしでは、自信を失い、不安です。
失敗はできないと思いますし、親としては、デリケートさにかける所、医者には、見てもらいたくないとも思います。
本人のすこしのキッカケで直ればいいのにと思い、親としては、暖かくささえ、見守ってやりつづけたいです。
安心してわかってもらえる、相談できる所が必要と思いました。




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