かんもくの会
2016年度日本特殊教育学会第54回大会における
シンポジウムに対するアンケートから




2016年9月18日の日本特殊教育学会第54回大会で開催した『かんもくの会のシンポジウム』の参加者からいただいたアンケートの回答を掲載させていただきます。

(一部、判読困難な字を誤って転記しているかもしれませんが、ご容赦下さい。)



1. 女性 大学生

 成人当事者の発表から、早期発見・介入・支援につながる内容が沢山ありました。
 今まで児童の方でしか緘黙について視点を向けることが多かったのですが、今回のシンポジウムにおいて、成人当事者(緘黙の長期化)への継続的な支援体制の充実がいかに必要かが改めて分かりました。
 “本人の本来の姿が表現できる、”“力を発揮できる”環境を設定する中で、「支援をしている」様子をださない、見せない」ということが、とても印象的でした。
 10周年シンポジウム、ありがとうございました。


2. 女性 大学院生

 お話を聞いた中で、話せることがゴールではなく、できることを増やし、力を発揮できるようになることが大切であるということが、とても印象に残り、話せることが当事者本人にとってすべてではないということが分かりました。


3. 男性 大学院生 資格:認定心理士

 青木さんや高津さんの発表から、「話せない」ことの裏にある自信の無さ、緊張を克服することが重要であり、それを踏まえて「話す以外」から自信をつけさせるアプローチを行うという視点に気づくことができました。今後の支援に向けて、とても参考になりました。


4. 女性 大学院生

 自主シンポジウムありがとうございました。
 私は、教職大学院におり、来年から、小学校の教員として働きます。
 大学院では、発達障害児に対する支援法を学び、通常学級の中で、障害のあるこもない子も互いに尊重していける学級をつくっていきたいと思っていました
 その中で、場面かんもくをもつ子ども達と出会うことがあり、そのような子ども達には、話せるように支援したらいいのか、話せないことは認めて、支援していくべきなのか、疑問におもっており、その子が通常学級にいたらどんなことをしていけばよいのかと考えていたところでした。
 今日のシンポジウムで、経験談、事例から多くの学びがありました。
 かんもくをもつ子が安心して過ごせる学級、つい話してしまうような工夫が大切だなと感じました。また、つい評価するときに、表現、話したことに注目してしまいますが、本人のできること、頑張りをちゃんとみていきたいと思いました。
 本当にありがとうございました。


5. 女性 長研生

 現場(小学校)にいると小学生の現状しかわからないので、今日のシンポジウムで成人した当事者のお話をきくことで将来を見通した課題等に気づくことができた。


6. 女性 市教育委員会 資格:心理士

 全国調査を行い、国の施策として実際に大きな所からうごかしていこうというところまでこのシンポジウムで提言することができたのは大変意義あることだと思いました。


7. 男性 特別支援学校教諭 資格:臨床心理士、臨床発達心理士

 10年間お疲れ様でした。そしてありがとうございました。ありがとうございました。これからの10年間期待しています。自分にできることをやっていこうと思います。


8. 男性 大学教員

 実際の学校の様子がうまく発表されていてよかったです。青木さんもよく整理されてよかたです。


9. 女性 特別支援学校

 青木さんの話や高津先生の話を聞いて、緘黙のある人について社会で困難を感じていることが分かりました。
 藤田先生がとてもよく内容をまとめてくださり、これまでの問題や解決方法について提案されていた。緘黙には早期発見や早期解決が必要であり、社会で生きていくための力を政府や教員が考えながら行っていくことが大切であると知りました。
 高津先生の事例を映像で見て、緘黙のある人がどういう実態かよく分かりました。そういった方が自分でできることを(話す以外で)増やし、緊張を弱めていくことが大事だと思いました。ありがとうございました。


10. 女性 大学・市教委 児童発達支援保育士 資格:特別支援教育専門士

 今まで支援、相談業務に携わるなか、緘黙が疑われたり、診断を既に受けているお子さんに何人もお会いしましたし、保護者の皆さんが日々悩まれている様子も感じてきましたが、自身の異動なので、その子達がその後どのように克服されたかは把握できていなかったので、克服された当事者の話は大変参考になりました。話し掛けても反応がないと、迷惑かもしれないと思ってしまい、どう関わればいいのかわからない担任がほとんどですが、青木さんの「反応がないからと言って話し掛けるのをやめないで欲しい」「自己嫌悪するから配慮するなら見えないようにやって欲しい」という意見は切実で身につまされる思いでした。これからの10年に期待することとして「早期発見・早期介入」が挙げられていましたが、実際の保育場面では、たとえ緘黙に当てはまったり疑われるお子さんが居たとしても“個人差”として片付けられ、就学後に緘黙が診断されたときに改めて「ああやっぱり」と思う事が多いです。保護者からのアプローチがなければ支援者としての立場からでは緘黙の話をすることもはばかれるのが現状です。緘黙がもっと周知されるよう願います。本日はありがとうございました。話させようという場面を設定されるから余計に話せなくなる、その通りだと思います。


11. 男性 特別支援学校 副校長

 過去に知的障害、ダウン症の生徒を担任していた際、該当生徒が学校で場面緘黙でした。今回は知人の紹介で本自主シンポを聞かせていただきました。
 発達に遅れや片寄がある方と、そうでない方ではアプローチが違うのではないか、とも感じましたが、どちらにしても負荷をかけず???が高いのではないか、と理解しました。
 今後、参考にさせていただきます。


12. 女性 特別支援学校 教諭

 教諭をしていると、“できないこと”“難しい”と思われることをできるようにさせたい!と思い熱心に指導しがちですが、子どもたちが、「できることを最大限に発揮できる」ような環境を作っていけるといいなと思いました。
 ありがとうございました。


13. 女性 支援学校 教諭

 かんもくの生徒と向き合う時の自分の姿勢などについて改めて考えさせられた。自分の指導にいかせそうでよかった。


14. 女性 当事者

 緘黙であることにより、学校生活に具体的にどのような支障があったのかという話があったのが良かったと思いました。忘れ物を申告できないから忘れないようにする、質問できないから先生の話を聞きもらさないように気を張っていた…というのは、主観的な大変さの割に周囲には気付いてもらいにくいところではないかと感じます。
 後半のお話も、一見緘黙とは関係ないようで「自分でこの課題ができた」という自信を持つことが自己選択や他者と協力しての活動参加につながったというエッセンスは共通しており、やはり自信を持つこと、能力を発揮できることが大切なのだなあと思いました。
 個人的には「自信」と言っても色々な種類があるのではないかと思いました。私の場合は能力に対する自信を付けても「自分がこの場に受け入れられている」という自信がないと話せなかったりしたので…。
 ありがとうございました。


15. 男性 当事者

 自分自身も社会人になって、少しずつ話せるようになっても、なかなか自信が持てずにいて、少しずつできることを増やしていって、どうにか社会生活を営めるようになった感じがありますので、システムとして、支援していけるようになることを望んでいます。


16. 女性 大学 研究員 資格:臨床発達心理士

 お世話になっております。貴重なお話をありがとうございました。
 青木様のお話から、「当事者の意識」「良き理解者」「生活環境」が偶然そろって症状が改善、運の要素が強いという状況にある人が多くいるのではないかと思い、話せる機会を待っている状況は打開しなければならないと強く思いました。早期発見が重要になると思いますが、教育現場のみでなく、乳幼児健診などの母子保健事業との連携が重要になると思います。