かんもくの会
2014年度日本特殊教育学会第52回大会における
シンポジウムに対するアンケートから




2014年9月21日の日本特殊教育学会第52回大会で開催した『かんもくの会のシンポジウム』の参加者からいただいたアンケートの回答を掲載させていただきます。

(一部、判読困難な字を誤って転記しているかもしれませんが、ご容赦下さい。)



1. 男性 小学校教員

 今日はありがとうございました。実際に私の友達にも場面かんもくの子がいたり、話した事はないけれど、クラスメイトにいたりと、みじかに関わる機会が多くありました。しかし、「なんでしゃべらないだろう」と思ってはいても、その先まで考えてはいませんでした。(その当時) 今日のとてもよい機会に巡り会えて良かったです。自分が現場に立ち、場面かんもくの子と出会った時にどのような関わりができるのかと考えさせられました。
 本日はありがとうございました。


2. 男性 教諭

 対応の仕方が分からなくて困っている先生も多いと思います。緘黙に関する情報が教員の中で共有できるよう、自分も機会を見つけて発信していきたいと思います。


3. 男性 医師(小児科)

 医療者の中でも場面緘黙のことを理解しているのは一握りであり、また、サポートや支援までできる人はさらに少数となるかと思います。
 私が学生時代には、授業で緘黙についての話はゼロでした。
 現在の職場に移ってから、多くの方が緘黙で困難さを抱えていることを知った状況です。  学生への授業、そして、医学系の学会等でも、こうした機会の設定が必要と感じています。さらに、日本での支援ストラテジーを作っていけると良いかと思います。


4.   資格:臨床心理士

 緘黙児への対応をいつも悩んでいましたが、今日のシンポは参考になりました。ありがとうございました。


5. 女性 特別支援学校教諭  資格:自閉症スペクトラム支援士

事例が多くてとても参考になった。
 しかし、社会の理解の難しさ、当事者の困難についての内容が中心でどんな支援が具体的に求められているのか、将来的な展望についてもう少し考える機会がほしかったようにも思う。
 私自身は、特別支援学校の教員であるが、学校の中でも特に支援の方法や対応の難しい生徒を集団とした学級を設置し、その担任を務めた。生徒は5名、統合失調症、強度行動障害を伴う発達障害(自動に対する暴力により被害届7件、家庭裁判所へ)、その他が場面緘黙症3名の生徒であった。3名のうち男子1名、女子2名(双生児)だった。高等部二年(生徒、17歳)から2年間の担任をした。初めは不登校であったが、徐々に登校できるようになった経緯、また、その生徒の学校生活、進路支援、そして何より、その生徒の実態ややり取りについて、いつか話題提供できる機会をいただけたら・・・と思いました。どうかご検討をよろしくお願い申し上げます。


6. 男性 大学教員

 浜田さんのお話は、自分と共通する体験も多く、身につまされる思いでした。シンポジウムも8回目ということですが、まだまだ緘黙という障害自体が一般的には知れ渡っていない現況もあることが残念な気がします。
 もっと具体的な、対処法や、治療法を議論する段階に早く入って欲しいと思います。
 シンポジウムでは、書籍や体験談でも読めるような、「これこれ、こういうことがある、こういうことがあった」調のエピソードは、必ずしも新鮮ではないので、割く時間は少なくて良いのではないか?(討論をメインにした方が良いと思います)
 明らかに、教育学の分野だけからの働きでは限界もあると思います。(その意味でも)藤田先生の、精神医学の最新の動向との関連づけのお話は大変興味深かったです。(「場面」よりも「選択」の方が個人的に良いと思います。場面という日本語も、違和感があり、より英名に忠実な方が良い)
 前述したことと矛盾するかもしれませんが、“場面緘黙”という症状名が知れ渡るにつれ、当人は周りから「場面かんもく者」であることがばれてしまうことにある種の恐怖を感じる局面が多くなっているかもしれません。
 「研究者の発表が無い」というご意見には強く賛同いたします。


7. 男性 特別支援学校教諭  資格:臨床心理士、臨床発達心理士

 毎回参加させて頂いています。ありがとうございます。
 今までに数名の緘黙の児童、生徒と出会ってきました。今日の話題を聞かせて頂き、場の共有、課題の共有、楽しさの共有が本当に重要であると再認識しました。ありがとうございました。


8. 女性 大学

 早期の具体的支援方法などの開発を期待しております。
 我々も臨床の現場でがんばります!啓発も含めて。ありがとうございました。


9. 女性 大学院生  資格:臨床発達心理士

本日は貴重なお話を聴かせていただきまして、誠にありがとうございました。
 わかや様の保護者兼元小学校教員の視点からのお話は、保護者と教員をつなぐ貴重な情報となり得ると思います。連絡ノート+しりとりゲームを取り入れ、情動的な楽しみを持って、前向きにコミュニケーションが取れるシステムは、取り入れやすい上に、信頼関係を築くのに大変効果が高いと思いました。
 また、教師の影響力の大きさというものを、教師がやっていることを児童がマネしている事例を聴き、今後の教師の役割のあり方は検討していくべき事項であると思いました。教職履修中や教員研修で何かしらのアクションが必要と思います。


10. 女性 元当事者

 貴重なお話を聴くことができ、とても有意義なかいでした。
 支援側の教員、保護者の試みと気持ちを知ることもでき、当事者の立場として、当事者同士の支え合う方法についても考えさせられる機会でした。
 これから、少しずつでも場面緘黙の理解と支援が広がることを願っていますが、その難しさも感じました。親や教員、周りの方も、心配し、気にかけて下さっているのだなあと思うと、当事者としては嬉しい反面、申し訳なさでいっぱいになってしまうのですが、少しでも関心を持っていらっしゃる方の力を合わせることで、何とか広がっていってほしく、また、具体的な方法、試みも模索していきたいと実感しました。その示唆もたくさんいただけました。
 本当にどの方のお話も素晴らしく、大変ためになる会でした。参加できてよかったです。ありがとうございました。


11. 男性 特別支援学校教員

 「教師の影響力」についてお話があり、己の行いが子どもにどうつながるか、広がるかについて考えさせられました。緘黙のあるお子さんへの関わり方、コミュニケーションの取り方について、子どもたちが自然に関わるような、そんな姿を見せていきたいと身が引きしまりました。
 そして、自分の教育実習時代を思い出しました。最終日に手紙をもらって、「先生はおもしろい。でももっと字をきれいに書いてほしいな」という言葉が書かれていました。大人しい姿と本来の姿のちがいに大きなしょう撃をうけた瞬間でした。


12. 男性 小学校教員

 毎年来ていますが、校内での場面緘黙の優先順位は、なかなか変わっていないなーと、改めて感じました。


13. 女性 大学講師  資格:臨床心理士、学校心理士

 発達障害のある子どもの支援やスクールカウンセラーとして学校に行く中で数人のかん黙の子どもたち(中学生ばかりですが)に会ってきました。
 自閉症やADHD、LDのお子さんにくらべ、かん黙のお子さんに対する支援のうすさを感じております。多くの先生方に理解を深めてほしいと思いますし、その方法を私自身も考えていきます。
 本日はきちょうな話をありがとうございました。


14. 女性 小学校 特別支援教育コーディネーター  資格:学校心理士

 当事者が話しかけてほしい、という事は、驚きました。
 1人1人の子どもたちの興味のある事を、まずは遊びから、という事を学校に帰って伝えていきたいと思います。
 ありがとうございました。


15. 女性 専修学校

 前で話しをして下さったのですが、声(音量)が小さくてほとんどききとれなかったのが残念でした。内容をもっとききたかったです。(事例等)

当学園にも約60人在籍している中、2人場面緘黙の子が(16才、18才)います。2人のうち1人は私は1年半まったく音声をきいたことがありません。でも活動には意欲的にとりくんでいます。
 今日参加させていただいてどう対応していけばいいのかよくわかりました。
 奥田先生の減らず指導→つくる指導納得しました。
 とてもよかったです。ありがとうございました。


16. 女性 大学講師  資格:臨床心理士

 本日は貴重なご発表、誠にありがとうございました。
 好みや好きなものを最大限に大切にすること、これはどんなに難しい状況も解決する糸口になると思っています。
 ノンバーバルな部分で、いま、ここで話せない子の、良いところ、昨日よりできているところを、学校の先生にはたくさん、フィードバックしてほしいと思います。
 改めて、自身の臨床をふり返る機会となりました。  一人でも多くのお子さんの笑顔がふやせるよう、精進します。


17. 男性 市教育委員会 指導主事  資格:特別支援教育士、臨床発達心理士、自閉症スペクトラム支援士スタンダード

 本学会でのシンポジウムに参加させていただきたのは2回目(昨年から)となります。3年前にこのシンポジウムやかんもくの会を知りました。いろいろと考える会であり、まだまだできることがあると思っています。いつも勉強になります。ありがとうございます。


18. 女性 療育センター 心理  資格:臨床発達心理士

 ‘かんもくの会のシンポ’何回目かの参加になります。
 今まで、当事者の方の思いなどをきいてくる機会がありそれもとてもいい機会でした。
 ですが、今日は何より具体的な対応、こころみについての話がうかがえてよかったです。
 データに基づいたお話がうかがえるようになっていくとうれしいなと思います。


19. 女性 大学院生

 かんもく=話さない子ども。勉強するまではこういう認識がありました。
 お話をきいて一番印象に残っているのは、「一緒に楽しむ活動をたくさんいれること」という話です。話さなくとも伝えたことは心の中にあること。その子どもの心のかぎをひらくために何ができるのか。教師はどう子どもに関わっていけばよいか。改めて考えさせられました。
 貴重なお話しをありがとうございました。


20. 女性 養護学校総括教諭  資格:学校心理士、臨床発達心理士

○思春期以後の介入はどうしたものか
○知的障害(軽度)をあわせ有する場合、それはかんもくとは言わないのか・・・。ひとりひとりの対応ということなんでしょうが、コンサルテーションのむずかしさを感じます。
 このところ毎回きています。いろいろな事例をうかがうことができて対応も様々で勉強になります。


21. 男性 市学校教育課 心理士  資格:臨床発達心理士、社会福祉士

 当事者の方の言葉をうかがえるのあ、自身らの取り組みへの叱咤であり、また試行錯誤している日頃の支援への勇気付けになります。今後も引き続いての活動をお願い致します。


22. 男性 教諭

 大学の時に緘黙については勉強していたつもりでした。今日、改めて緘黙について知ることができました。昔、自分が小学校の時に緘黙の子がいたことを思い出しました。
 現在は、特別支援学校の教諭なので、小学校に出た時は、場面緘黙の子の対応についてしっかり勉強したいと思います。


23. 男性 大学院生  資格:臨床心理士

 かんもくの症状のあるとされる当事者の声や、その御家族の声をきくことができて本当にたくさん考える機会をいただきありがとうございました。


24. 男性 大学講師  資格:臨床心理士

 当事者の方のことばが一番心に残りました。
 緘黙の状態であっても話しかけて欲しいという気持ちをもたれているということを、私自身このことを周囲に伝えていきたいと思います。


25. 男性 大学教員  資格:臨床心理士、学校心理士

 年々関心が拡がってきているように感じています。しかし、具体的な取組みはゆっくりとしたままで現状はまだ進んでいません。これからは具体的な成果のあった事例etc.で積み上げていく内容のシンポジウムが出来ればよいと思っています。


26. 男性 養護学校教諭

 毎年、参加させてもらってます。まだかんもくのお子さんと関わったことはありませんが、もっともっと勉強させていただきたいと思います。