かんもくの会
2013年度日本特殊教育学会第51回大会における
シンポジウムに対するアンケートから
2013年9月1日の日本特殊教育学会第51回大会で開催した『かんもくの会のシンポジウム』の参加者からいただいたアンケートの回答を掲載させていただきます。
(一部、判読困難な字を誤って転記しているかもしれませんが、ご容赦下さい。)
1. 女性 大学院生 資格:臨床発達心理士
お世話になっております。本日は貴重なお話をどうもありがとうございました。
本日は類型化の可能性と機能的アセスメントの重要性について勉強させていただきました。私はある程度の支援の枠組として、類型化というものが役に立つと思いましたが、やはり実際の介入レベルにおとしていくと、環境との相互作用は無視できないので、個々の状態像を把握する機能的アセスメントは必要不可欠だと思いました。
2. 女性 特別支援学校教諭
大変勉強になりました。ありがとうございます。
昨年度まで、3人の場面緘黙症の生徒の対応をしていました。
特別支援学校の中でも特に専門的な支援を要するクラスを設立し、生徒が高2、高3の時に対応をしました。
特別支援教育においても、まだまだ場面緘黙の症例が少なく、教員の専門性も高いとは言えません。教員はつい、学校に登校できること、喋れるようになることを期待し、その期待を、生徒の状態を考えずに押しつけてしまうことがあるのではないかと思います。私自身も、反省すべき指導や支援をしてきてしまいました。しかし、彼らと関わるなかで、気づかされたのは、場面緘黙が“よくなる”ということは、ただ喋ることができることではないように思うのです。本人が自信をもって生きることができる場所がある・・・そんなことも大切だと思います。ここでは1つ1つの事例について書ききれませんが、機会があればケースのお話や相談をさせていただきたいです。
3. 男性 小学校教員
現在私の学級に2名の選択性緘黙の子がいます。今日、お話に出た高木先生を学校現場で実践していきたいです。この子たちの将来を見据えた指導を心がけ、周囲の人や先生方に理解が広がるようにはたらきかけらればいいなと思いました。ありがとうございました。
4. 女性 特別支援学校教諭 資格:自閉症スペクトラム支援士
現在、高1男子(特別支援学校在籍)が選択性緘黙です。二学期からの計画している支援をこの会で確認でき、やる気につながりました。
来年度、自分の実践をふまえ、この会に参加できることを楽しみに、取り組みたいと思います。
有意義な時間を共有でき、ありがとうございました。
5. 女性 支援学校教諭 資格:特別支援教育士、臨床発達心理士
類型化についてたくさんの意見が交換され、いろいろ考えるよい機会となった。まずは様々な研究がつみかさなっていき、緘黙についての支援方法が確立されるとよいと思います。
6. 女性 特別支援学校臨時講師
かんもく症の子どもたちへのアプローチをしりたくて参加しました。学校の先生たちは「気持ちが・・・」とか「見守るとか・・・」が多くピンときていませんでした。
今日はありがとうございました。たくさんのヒントがありました。
7. 女性 小学校教諭 資格:学校心理士、臨床心理士、行動療法士
教師として29年で、4名の場面かん黙児に出会いました。小学生で出会い女児が3名、男児が1名。そのうち、現時点でも全ての場面でかん黙であったり、ひきこもっている人はみられていません。1人(女性)は、対人関係恐怖があり、かん黙が解消された後も、別のことで問題行動をくり返したり、精神的な疾病に苦しんだりしています。(成人)男性の場合は、自閉圏、(現在高校生)、もう1名は、女性で、通信制高校から専門学校へ通い、アルバイトをして社会生活を送っています。4名とも、全てちがうタイプだと思います。現在、方向に通学している児童は、女児、保育園では、まだ少し話していましたが、今は1人では声を発しません。
かんもくの会の先生に、お手伝いいただき、声が出るところを作ったり口がひらいたりする場面をかんさつしてとらえながら、そのような場面を大事にしつつ、声が出ても安心できる学級経営を、担任の先生にお願いしているところです(自分は特支コーディネーター)。学校現場が放置している、ときついお言葉をいただきましたが、困難な部分を抱えつつ、かんもくの会の先生にアドバイスをいただくことで、少なくとも悪化させず本人が登校できる環境作りをこれからもしていこうと思います。
奥田先生、がんばって下さい。S先生も力をかして下さっているとのこと、心強いです。藤田先生、加藤先生、園山先生のようなベテランの先生方が、若い大学の先生方にも学校現場へのアプローチをはたらきかけて下さるようおねがいをしていただけるとうれしいです。
とてもはげみになりました。ありがとうございました。
8. 女性 療育教室、他 資格:臨床心理士
初回に参加させて頂いた後、発達相談や保育所幼稚園では、必ず、発達障害の話に加えて、SMのお話や、対応をお話しさせて頂いております。個別ケースとして、12ケース以上、指導して改善できました。
タイプ分けとして、不安緊張、ASD、の他に人見知り期の後遺症として(もうすでに不安はなくとも、)しゃべらないで逃避が強化要因になっているタイプや、非音声言語コミュニケーションのみで、事足りていて、強化(持続)されているタイプがあるかと存じます。(誤学習された行動が維持。)代替行動(指さし、○×、50音表、メールなど、文字ツール)を形成して、知らんぷりせず、意志表示をさせていくこと(音声言語に限らず)で、ほとんどのケースは改善できました。
幼児期であるため、母親が相談場面に同行しているので、Homeに近い状況をつくれる事、誤学習歴がみじかい事、遊びという強化が短期間でも、不安緊張の低下を促しやすい事塔、学齢期に学校現場で介入するよりは、はるかに改善できる要素が多いのだと思いました。SM傾向のお子さんの状態を悪化させない=予防ですね! 1.6才、2才、3才児健診で保健師さんがひろってくれる様、問診項目にも、不安緊張をたずねる項目も入れて、早期発見、改善に努めております。
9. 男性 病院 資格:作業療法士
大変勉強になりました!
また来年お願いします。
10. 男性 中学校相談室 資格:相談員
類型化がテーマでしたが、やはり、1人1人、1つ1つの行動がみな違うため、アプローチもその都度対応していかなければいけないと思いました。
その時だけ、自分がかかわる期間だけでなく、その先を考え、視野に入れての支援大切ですね。
その為には実のある対応をしないとですね。
11. 男性 教育センター 教育相談員
緘黙が原因でひきこもりになっている方の支援なども行っております。今後も情報提供などできたらと思います。よろしくお願いします。
12. 女性 障害者リハビリテーションセンター 研究員
私はリハビリセンター付属の研究所で言語障害(吃音)の研究をしており、当事者団体のご活動や学校でのかんもくへの取組について勉強させて頂きたいと思い、参加いたしました。
かんもく状態のお子さんの背景にある多様な要因、経験のことや、それをふまえて、多様性を対応に当たられる教員の方に情報提供することの重要性がわかり大変参考になりました。
13. 男性 大学 研究者
類型論の長短について話し合えたと思います。その際、病因論と行動類型の違いについてもう少し議論を深める必要がありそうです。
浜田さんの最後の発言のように、専門家の議論が主で、分かりにくかったとは思います。その分かりにくさを検討することが、今後の議論を深めるためにも大事かと思いました。
14. 男性 教育委員会 指導主事 資格:臨床発達支援士、自閉症スペクトラム支援士
緘黙症の当事者の思いと、研究、臨床実践の(?)等とてもよく分かりました。ありがとうございました。
いい支援ができればと思っています。どんな支援がどんな方に有効なのか本当に大切だと思いますが、多様性もあるので、一人一人に合った支援をさがしていきたいと思います。
15. 女性 保護者
場面かん黙を持つ子供を持つ親です。
今まで子供はうすうす、外で話してないかなと思っていましたが、学校の先生も特に教えてもらえず、公の場では話さない子供にイライラし怒ったりしてしまったことも多かったです。特に大きな問題もなかったため私としてもほうっておいた結果、今に至り、今まで近くで話をきく(??)がなく、ようやく話がきけて少し納得しましたが、やはりどう変えていくか、直していくかは答えがなく、わからないのかと少し残念にも思います。
ただ、加藤先生が、よりそい、一緒に楽しいことを経験するということを言われ、向かう方向は合っているかなと思ったり、高木先生の、基本にある敏感さ(人より)が高く、感じやすいということ。子供は2才まで話さず、とても手のかからない子(ねてばかりいた)泣かなかった。手のかからない子と思ってた。夫婦の仲も感じたり、いろんな要素が加わり、私がそのようにしてしまったこともあるかと思い、反省もしています。ただ、今、青少期になり、なかなか就職がきまらず、むつかしいなと思っています。でも何とか社会に対応できるよう頑張って一緒にのりこえようと思います。近くでもあればいいのにと思います。
16. 女性 当事者の母
高木先生の類型化は、担任が気づき、支援に向けての第1歩につながると思います。
息子は奥田先生がおっしゃっていた4つの放置により、配付された体験記の方と同じ様な状況です。
現在は精神か(保健所に相談し紹介された)に通院していますが、一年半に担当医が3人も変わり、診断も・・・?です。
大人のかんもくが治せるような社会を望んでいます。
17. 女性 小学校教諭 当事者
かんもくの会を知ったのは、私が大学1,2年になった頃だったと思います。昔の私にとても当てはまると強く思いました。ホームページにのっていた体験記を目にしてなみだしました。教育にたずさわりたいと思い、大学で学びにはげみ、現在はS市で教師として働いています。本日は、かんもくについて、様々な話をうかがえて、あらためて自分も何かできることはないだろうか強く思いました。
貴重なお話しをありがとうございました。
18. 女性
かんもくを知ったのは最近なので、詳しく知れて本当に良かったです。
対処とか、私自身はできませんが、力になれる事があれば、もっとかんもくの事を知って、広めていき、手助けできれば...と思っています。
19. 女性 員当事者の母
とにかく教育会、心理療法士等、広くかんもくということを知ってもらいたい。引きこもっている方々が“かんもく”の症状でつらく苦しい日々を送っているという事を理解をするべきです。
私自身もつい最近までかん黙ということばを知らなかったのです。メディヤを使ってどんどん情報を流すことはできないのでしょうか。つらくて、わからないでもんもんとしている人達がいっぱいいるのでは思っています。正しい情報を送って下さい。
20. 女性
先生方のお話のなかでむずかしい言葉も多々あり全て理解するのはむずかしかったです。
ただ、このようなお話を聞く機会は大変少ないので参加できて良かったです。
21. 女性 当事者の母
大変興味深いお話ありがとうございました。
かんもくについての概要は大変勉強になりました。
具体的な対策、成功例、教育現場での取り組み等の文献や値域への理解が得られるような物があると良いと思います。
就学についての不安があり、前例も少ないので今後のかんもくについての認知度が広がることに期待します。
22. 男性 大学生
成人当事者の実態や各段階に応じた対応のあり方について説明されていてよかったです。
23. 女性 当事者
・「多様性はあるが傾向の似た人はいる」「原因を知るだけではどうしたら良いか分からないのでは?」という点は私も何となく感じていたので専門の方から同じ考えを聞くことができて良かったです。
・しかし、実際に分類をするとなると、当てはめるのが難しかったり危険性をはらんでいるのだということで難しいものだなあと思いました。
・1979年の分類について、家庭内外での態度の差が昔は大きかったけれど、後に色々あって今は全緘黙の人などはどうするのかなと思いました。
・分類は「話しやすい場面/話せない場面」でやってみる(原因ではなく)でやってみるのはどうかなと思いました。『場面緘黙児の心理と指導』の教師型緘黙と生徒型緘黙の分類のようなものや、「発話という手段への不安の方が強い人/手段にかかわらず内面を表現するのが不安な人(音読はできるが作文は書けない子とか)」という分け方など・・・(的外れなことを書いていたら申し訳ありません)
・体験記は本当に心が痛みました。やはり支援の場にいる方に緘黙を知ってもらうことが大切だと思いました。
・年が過ぎるごとにより深い内容を聞けるようになり、シンポジウムを聞きにくる人も緘黙を良く知っている人が増えてきたのかな・・・と思いました。少しずつでも理解が広まっていくと良いなあと願っています。